老朽マンション、問題は修繕積立金

老朽マンション、建て替えタダは都市伝説だ
ローンが組めず資金が捻出できない高齢者も
(東洋経済オンライン 2017-7-24記事リンク)

四ツ谷駅から徒歩5分の一等地に建つ「四谷コーポラス」(新宿区)。1956年に日本で初めて民間企業により分譲されたマンションだ。当時はメゾネットタイプの間取りで床はフローリング、各戸に浴室が設置されるなど、時代の最先端を行く高級マンションとして注目された。
(中略)
障害となっているのは住民の経済的負担だ。解体費や建築費は原則、区分所有者が負担する。一般的に各戸で1000万円単位の資金が必要になる。老朽マンションの住民は高齢者が多く、住宅ローンを組むことが難しい。建て替えには区分所有者の5分の4以上の賛成が必要になるが、資金の捻出が難しい住民も少なくないため、合意形成のハードルが高い。
(引用終了)

新聞イメージ1950年代に建設された分譲マンションが60年間もの長期間使用された実績があるわけです。1990年代以降に建設されたマンションなら80年~100年程度の利用が可能ではないかと推測します。ただし、長期使用するには前提条件があります。その条件とは十分な修繕積立金です。

十分な修繕積立金があるということは、区分所有者の大多数が修繕積立金を負担する資力があり、マンション管理組合が健全に運営されている証拠です。適切な修繕をすれば、マンションは100年だって住めるのです。したがって、記事のように、築30年程度のマンションを老朽と定義するのには違和感があります。

恐らく問題の本質は修繕積立金の不足でしょう。お金が無ければ修繕が出来ない→修繕しなければ耐用年数が縮む→資産価値を失いスラム化→廃墟と化します。高齢化と本格的な人口減少により、本来の耐用年数を待たずして廃墟化するマンションが社会問題となるはずです。

スラム化する可能性の高いマンションとは、区分所有者の年齢が一様に高齢化する郊外のニュータウン的なマンションでしょう。そのようなニュータウン的マンションは立地の悪い場所に多く建てられており、一度スラム化したら最後、廃墟になる道しか残されていません。そのようなマンションでの建て替え決議などは夢のまた夢です。

そして、区分所有者が死亡すると相続人はスラム化したマンションの相続を放棄するでしょう。こじかがその立場なら計画的な相続放棄を実行します。その結果、区分所有者がすべて国となった廃墟の出来上がりです。解体には税金が投じられ、解体後の更地に価値はありません。もともと立地の悪いマンションだからです。

さまざまな問題はあるにせよ、建て替えを議論できるマンションはそれだけで健全だと言えます。とにかくマンション選びは一に立地、二に立地、三に立地です。立地さえよければ流動性が確保され何とかなるのです。

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