独りヘッジファンドのススメ

ロング・ショート投資で波に乗る 11年で資産5億円
ここが違う! 勝ち続ける億万投資家の素顔(4)
(NIKKEI STYLE 2017-8-14記事)

同時に空売りに注目。空売りを絡めた取引で利益を上げることを思い付いた。取引の内容は、ヘッジファンドが手掛ける「株式ロング・ショート」と基本的には同じ仕組みだ。

取引のパターンは同業他社と比較して一時的に株価が割安となっている銘柄を扱うケースと、逆に一時的に株価が割高になっている銘柄を対象にするケースの2つがある。前者の割安な銘柄のケースで利益が出る仕組みを説明しよう。この銘柄を購入すると同時に、同じ金額で同業種の銘柄を空売りする。同じ業種にするのは似たような値動きをすることが多いからだ。割安な銘柄が値上がりすれば、空売りした銘柄の株価も上昇するので、空売りでは損失が出る。しかし、割安な銘柄の方が大きく値上がりすることが多いので、空売りの損失を補って利益が出る。

一方、割安な銘柄がさらに値下がりすれば、空売りしていた銘柄の株価も下がるが、値下がり幅は割安だった銘柄の方が小さいことが多い。空売りによる利益が割安銘柄の値下がりによる損失を補って、トータルで利益が出やすい。

①ヘッジファンドは極めてハイリスクな取引をしている。
②ヘッジファンドの真似は個人投資家には出来ない。
③ヘッジファンドのような投機筋と私は無関係だ。

ヘッジファンドに関してこのような考え方の個人投資家が大半ではないかと思います。結論を言えば、これらはすべて誤解です。

先ず①について、ヘッジファンドのヘッジとはリスクヘッジのヘッジ、つまりリスクを回避するという意味です。伝統的な投資のように不確実性の高い取引ではなく、常にリスクを回避するための保険をかけて取引します。そして目指すは絶対収益の確保です。

過去にノーベル経済学賞受賞者が関与した有名ヘッジファンドが破綻したことがあり、ヘッジファンド=危険という誤解を招いたのかもしれません。件のファンドはヘッジファンドとしての行動から逸脱したのが原因であり、ヘッジファンドとは言えないようなハイリスクな取引をしていました。

次に②について、市場に光ファイバーで直結した高速専用回線を持ち、大型コンピューターを何台も設置し、独自に開発された取引プログラムで一秒間に何千回・何万回も取引する、そんなイメージがヘッジファンドにはあります。

一方で、リンク先の記事で紹介された「株式ロング・ショート」のように、個人が手作業でできるリスクヘッジも存在します。実はこじかも「株式ロング・ショート」を一時期やっていました。その他にも、日経平均先物ミニを絡めた裁定取引、スワップ金利のアービトラージなどを個人で手掛けていました。

最後に③について、こじかの勤務先の企業年金の多くはオルタナティブ、つまりヘッジファンドで運用されています。間接的ではありますが、自分の資産の一部がヘッジファンドに流れているわけです。おそらく、サラリーマンで企業年金に加入している人は、多かれ少なかれヘッジファンドのお世話になっているはずです。

これまでの話をまとめると、ヘッジファンドとは、より安全で、個人でも真似ができ、年金の運用を任せている身近な存在であることが分かります。誤解と偏見を捨て、自らヘッジファンドになりましょう。独りヘッジファンド、個人投資家としては理想的な投資スタイルだと思います。

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